税理士:広瀬税務会計事務所(大阪府大阪市中央区)

ビジネスコラム・読み物

コラム 広瀬物語 -読み物・コラム
様々なテーマに応じて、「よりためになる」「わかり易い」コラムを連載致します。

広瀬物語 修行時代(1)(2008/7/26)

 まだ大学院で学んでいた頃、どうしても実務の勉強がしたくて、確定申告の時期に
アルバイトの求人がないか探していました。しかし、そう上手く見つかるものではあり
ません。でも、早く実務に携わりたい一心から、私は電話帳をひっぱり出し、会計事
務所のページを上から順番に電話することにしました。

 何件くらいかけたでしょうか・・・。ようやく「3月15日から来て下さい」と言ってくださ
った事務所がありました。それが6年近くお世話になる東大阪市の「有本税務会計」
でした。突然の電話にもかかわらず、あまりに早い「採用」だったので、逆に「履歴書
や面接は必要ないのですか?」とこちらが尋ねるくらいでしたが、「そんなのいらん、
いらん」と軽い返答でした・・・笑。

 そして3月15日、ちょっと不安でしたが地図を片手に事務所に向かいました。その
事務所は駅前の古いビルにあり、暗い階段を上った2階に1枚板の立派な看板があ
りました。ノックをして入ると、白髪のご老人が出迎えてくれました。この方が、今は
亡き有本先生だったのです。
 入ってまず驚いたのは、この事務所にはパソコンがありません。申告書は手書き。
これは、パソコンを使用せず手書きでしっかり覚えなさいという、先生からの強いメッ
セージでした。当時は、なんて非効率的なんだと思っていましたが、今では原理原
則に立ち返ることができ感謝しています。
(さすがに、今うちの事務所ではパソコンを使用しています。)

 充実した1ヶ月のアルバイトは、あっという間に過ぎていきました。その後、先生より
「ここに就職して修行したらいい」との暖かい言葉をいただき、在学中でしたが以来さ
まざまな事を勉強させていただきました。


広瀬物語 修行時代(2)(2008/7/26)

 自分の将来を意識する時期になり、独立をする前に企業の経理や管理のあり方を
身を持って体験しておくべきだと考え、とあるエージェントに転職を依頼したのです。
しばらくして、紹介したい会社があると連絡がありました。設立して間もない新しい
会社だと言う。「何をしている会社なのですか?」と尋ねると、「それが、よくわかりま
せん。面接に行って、それを聞きましょう!」という返答に絶句・・・笑。え〜??その
時は、そんな会社を紹介するなと憤慨したのですが、その会社、それから急成長して、
なんと上場企業になるのです!!
 入社したものの、上場準備なんて未知の世界・・・。本を読み、セミナーに出かけ、
関係者の方々に聞きまくり、朝早くから夜遅くまで、時には朝早くから朝早くまで?
資料を作成し続けたことを思い出します。ここまでしないと上場ってできないんだ・・・。
そこには、これまで見てきた税務会計とは全く異なる世界がありました。
 当然ですが、投資する側にしてみれば「数字」が客観的な判断基準であり、その数
字の動きに対して納得できる説明が必要になるわけですが、その説明資料の作成た
るや、それはそれは緻密で不正を許さない法的な規制のなか慎重な作業が続くわけ
です。
ここでの経験、そして出会いは、今の私を支える大切な財産となっています。


広瀬物語 修行時代(3)(2008/9/06)

 税理士の業務には、相続や譲渡など「不動産」を扱うことが多くあります。とくに相続
時の不動産の評価は重要で、その評価によって相続税が大きく異なることを先に学ん
でいたので、短い期間でしたが不動産鑑定事務所で修行させていただきました。
 さまざまな物件の評価に立会いましたが、最も印象に残っているのは、夜逃げした後
の物件調査です。鑑定士事務所の仕事の1つに、裁判所の競売物件の不動産鑑定が
あり、その中には夜逃げ案件もあるのです。
 入ってびっくり中はめちゃめちゃ・・・臭い・・・。どんな経緯で夜逃げしたのかわからな
いし、この家族のその後を案じてもしょうがないのですが、胸が痛い仕事でありました。
先生は、裁判所の調査官と一緒に黙々と査定し、私は先生の言うがまま、メジャーで部
屋の長さや道路の幅等を測っていました。
 不動産評価のポイントは、「道路」だったりします。近年に相続税をお支払いになった
方で、道路幅が極端に狭いと思う場合には一度ご相談ください。相続税が戻ってくるか
もしれません。


広瀬物語 開業して(2008/11/20)

私の実家は新潟です。長男でしたので新潟に帰って独立しようと思って退社したものの、
両親と話し合ううち、大阪で頑張ってみろという結論に達し、最終的には大阪の自宅で
開業する道を選びました。まさにゼロからのスタートです。

 「税務会計を通して誰かのお役に立てる存在でありたい。」

 そんな一心で独立したものの、気持ちは空回りするばかりでした。飛び込み、DM、ティッ
シュ配り、知人への挨拶周り等々、考えられる営業を行いましたが、思うように仕事は取れ
ませんでした。その当時は、結婚もしていましたし、子供もおりましたのでとにかく必死でし
た。イライラもつのり、夫婦喧嘩も絶えなかったように記憶しています。みるみる貯金は減り、
やっぱり田舎に帰ったほうが・・・そう考えていたころ、徐々にお客様が増え始めました。とに
かく仕事があることがうれしくて、お客様に喜んでもらおうと、お客様が望むことは採算を度外
視してでも引受け、一生懸命に働き続けました。
 
 うまく好転し始めると不思議なもので、新しいご縁が次々と広がっていき、人とのつながりが
最も大切なんだと実感するようになりました。そして事務所を構えることができ、優秀なスタッ
フにも恵まれて今日まで至っています。

「税務会計を通して誰かのお役に立てる存在でありたい。」

そんな初心を忘れず、お客様に信頼していただき、そして喜んでいただけるよう、これからも
努力していこうと思っています。



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